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プロフィール

りく

Author:りく
こちらは管理人りくによる自キャラまとめブログです。
同性愛やエロ、微グロなどの表現が頻繁に登場する恐れがあります。
ご注意ください。

自キャラの話や他所様のキャラさんとの絡みが中心になります。
また、本設定やIF、パラレルなどごちゃごちゃとしている場合もあります。
ご容赦ください。

* * *

ちなみに管理人の好きなものとか

男性限定の声フェチ

声優
・高橋広樹さん
・中井和哉さん
・山口勝平さん
・杉田智一さん
・小野大輔さん
・安元洋貴さん
・笹沼尭羅さん

ニコ動の歌い手さん
・三段峡さん
・タイツォンさん
・ヒャダインさん
       etc
その他にも
・KAITO
・Adam Pascal

ちなみに女性は二の腕フェチ
      

好きになりやすいアニメキャラの傾向
◎最初は悪かった(もしくは風貌が明らかに悪)けど、今はいいやつ
◎目つきが鋭い(悪い)
(◎声、気に入った)
・ピッコロさん(ゴハン育て始めたあたりから)
・ベジータ(ちびトランクス出てきて、パパし始めてから)
・ロロノア・ゾロ
・長谷川泰三
・土方歳三
・独逸
・瑞典
・墺太利
・高須竜児
・キョン
・古泉一樹
・男鹿辰巳
     etc

趣味:PC、料理、世話焼き、おしゃべり、カラオケ、文章を書く

属性:お母さん、いじられキャラ

特撮好き
特に戦隊もの・仮面ライダー


交流バッチコイ!
いろんな人とキャラ交流したいです!

ツイッターしてます。
もしご興味のある方はコメント欄に一言いただけると幸いです。

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斎鹿泰史
☆正義

saiga.jpg
絵:蒼紅さん

名前:斎鹿 泰史(さいが やすふみ)

系統:利己主義的参謀系

年齢:33歳

職業:医者(内科医)

容姿:181㎝ 64kg
   細身だが筋肉も適量付いている。着痩せするタイプ。
   全体的に地味。服装もモノトーンが多い。
   仕事着はスラックスに黒のハイネックの上から白衣を着ている。普段着もそこまで変わらない。
   髪はい黒で柔らかくストレート。清潔感のある短髪で、前髪は軽くそろえてある。
   瞳の色も黒。気にはならない程度につり目。まつ毛は長め。
   就業中は眼鏡を着用。   

性格:誰に対しても敬語で対応し、柔らかい物腰と流暢な言葉遣いが印象的。
   勤務態度も真面目。職場仲間からの信頼も厚く、女性職員からも熱い視線を浴びている。
   ただそれは対人受けが良いので便宜上そうしているだけで、事実自分の周りは愚者ばかりだと思っている節がある。
   実際は、先頭を切って進む人物をそれをサポートしているフリをして裏から手綱を握るタイプ。
   愛に関心が無い。自分以外は全て我が玩具だと思っている。
   ヒトの行動や発言を見てそれを分析し、相手の好みに合わせ取りいった所で主導権を握る。
   日常に刺激を求める。なければ作る。

備考:学生時代に剣道や華道など、日本伝統芸能を学んだ。今でも茶道は趣味。

参考台詞:「こんにちは。前回お会いしたときよりもいくらか顔色が良さそうですね。良かった」
     「いや、そんなことはないですよ。そんなに褒められては期待に答えるしかなくなってくるではないですか。部長も人をその気にさせるのがお上手だ」
     「はぁ…、それで?僕に何を求めてるの?あまりに厄介だと困るんだけどね」
     「いい加減にしろ?お前の茶番に付き合っただけだっつってるだろうが。あれしきの事で俺がお前に惚れてるだ?ふざけんのも大概にしろよクソアマ」
     「いいねぇ…その顔、すっげぇゾクゾクする…。もっとよく見せろよ」
   

2012.02.20(Mon) | 7つの美徳 | cm(0) | tb(0) |

天国はここにある
「じゃあお菓子持ってくるからね~」
そう言って希里は部屋に凛梧を残した。

「…さてと、始めるか」

気合いを入れるように腕まくりをし、室内を物色する。
引き出しの中、ベッドの下、クローゼットの服の隙間。あんなに隠語を連発するようなやつだ。エロ本の一冊でも隠し持っているはず…。見つけたら蹴り飛ばして土下座させてやる。

本棚に手を伸ばす。分厚い一冊の本が目に留まった。
『マル秘ファイル』
…やっぱり持ってやがったか…あのド変態め…。
そのファイルに手を伸ばすと同時に希里が部屋に帰ってきた。

「りんちゃん何してるの?」
「うっせ、この変態。こんな風にごまかせばオレが見逃すとでも思ったか」

ファイルをひらひらと見せると希里の表情が一変する。

「あ!!ダメっ、それ返して!」
「そんなに大事かコレが」
「だって必死に集めたんだよ?」
「へぇ、そんなにレア…」
「そうそう、レアもレア。チョーお宝!命くらい大事!」

デレデレと表情を崩す希里を見て、凛梧が奥歯を噛みしめ睨みつける。

「……っざけんなよ、クソ野郎」
「え?」
「んなんで抜いてるくらいならオレの相手しろっつってんだよ!信じらんねぇ…マジ死ね!今すぐ死ねッ!!」
「え、え?なんで?何でそんな怒ってんの?」
「わかんねぇのかよ!こんな決定的証拠もあんのに!」

凛梧がファイルを開くとそこには…、何人もの自分がいた。

「え…」
「小学校の時のりんちゃんも可愛いなぁああ!もう!美人!!」

希里が身を乗り出して覗き込む。

「短パンから見える素足が真っ白で舐めまわしたくなるよ、あー、ヤバい可愛いどうしよう、この白い足で素股とかしてくれないかな、足コキでもいいなぁあ」
「……きーちゃん、何コレ」
「え?これ?これはねー、大事な大事なりんちゃんマル秘ファイル。それは小学校低学年のやつでー。こっちからが高学年で、それで中学生でしょ、高校に入ってからのはあんまりないんだけどこれからたくさん撮ろうねー」

一気に肩の力が抜け大きくため息をつく。

「ん?どうしたの?」
「なんでもねーよ、あー、ばっかみてぇ…」
「あ、ゴメンね勝手にこんなの作って…、それで怒ってたの?」
「ちげーよ。…でもま、もう心配する必要もないかな」
「何を?」
「何でもない」

希里の肩に頭を寄せ擦りつけると全身が硬直するのがわかった。
まあ、この程度で緊張するようなやつがエロ本なんか持ってる訳が無いかと安堵しつつも、こんな大量の写真をどこで入手し何冊ものファイルにまとめたんだろうかという新しい疑惑を胸に抱く凛梧なのであった。

2012.02.20(Mon) | 希凛 | cm(0) | tb(0) |

バラ色の日々
隣で貴方が 笑っている 恥ずかしがってる 眠っている
そんな貴方を見て「幸せ」と「不安」が浮かんでは消えていく

どうしたらあなたを幸せにできるのだろう、と
考えれば考えるほど「不安」ばかりが胸に巣くう

何故だろう
今自分は幸せなはずなのに
その幸せを手放しでは喜べない

何故だろう
隣に貴方がいるのに
離れることも同時に思ってしまう


「今」が幸せだとしても
「未来」が不安を運んでくる

貴方との幸せを想像したくて未来を夢見るのに
貴方との別れを創造してしまう気がして


そんな不安に苛まれた時
貴方の表情を思い出す

「笑うのは苦手なんだ」
恥ずかしげに顔を伏せる貴方を

「お前のことが心配だ」
真剣にこちらを見つめる貴方を

「一緒に居られて幸せだ」
優しげに微笑む貴方を


そんな顔を思い出しては
「ああ、自分は愛されているんだ」
と安心する


そして不安に満ちた未来までもが
綺麗に色づいていく



自分たちのこれからのために何ができるのだろうか

一生付きまとうであろう不安に打ち勝つことはできるのだろうか

なにより貴方を幸せにできるのだろうか

浮かんでは消え 消えては浮かび

そんな不安定な自分を 貴方が信じて一生掴んでくれているのであれば

しっかりと前に進んでいける気がする

未来を創造していける気がする

だから どうか

二人の未来を信じて

『バラ色の日々』を貴方とこれからも

2012.02.20(Mon) | るいもり | cm(0) | tb(0) |

好きだから好きって言った
「いーとまちゃん」

修史がいつも通りのふわっとしたテンションで暇に話しかける。
暇は小さくため息をつき、目だけをそちらに向ける。

「何だよ」
「好きだよ」

間髪入れずに発されたその言葉に、暇は一瞬硬直し振り返ると相手の顔をじっと見た。
修史はにっこりとほほ笑みゆっくりと近づく。

「はぁああ?!な、いきなり、何を」

一歩一歩近づいてくる修史を遠ざけるように暇は足を擦る。
2人は机を挟んでぐるぐると回る形になった。

「好きだから好きって言ってんの」
「え、あ」
「好き、大好き」
「う、るさいっ!言わなくていい!」

相手の動きを制止するように大声で叫ぶと、修史は不服そうな面持ちで机に肘をつく。

「えー?何で」
「おおおおお前の好きには心が籠ってないんだよ!このチャラ男!」

暇の訴えにため息交じりに声を漏らすと、修史はふらっと別の部屋に消えて行った。
それを視線で追い安堵の表情を浮かべると、目の前の椅子に腰かけ大きく深呼吸をし、机に突っ伏す。
何でいきなりあんなことを、そんな言葉だけで大喜びするような女だと思ったら大間違いだ、などと思考を巡らし自身を落ち着けていると、不意に背中に重みと温かさを感じた。

「……好きだよ、暇」

耳元で囁かれると、先ほどの熱がぶり返し、一気に心臓が跳ねあがる。

「愛してる」

相手の唇が耳に触れ、そこから、先ほどにも増して身体中に熱が伝わるような感覚を覚えた。

「ちょっ、やめ…触んな…」

暇が身悶えると、修史はさらに強く抱きしめる。

「何でだよ」
「いいから…っ」
「オレは触りたい」
「アタシは触られたくないんだッ!」
「どーして?」

小声でぼそぼそと言い渋っていると、修史が頬に手を当て優しく撫でる。

「…ほっぺ、あっつくなってる」
「言、うな…」
「ホントの事じゃん」
「…恥ずかしい、から…やめて…」
「何で?ここにはオレしかいないけど?」

暇は彼の手を振り払うように首を振り、顔を押し沈めるように机に突っ伏す。
修史はクスクスと笑うと、指先で首をなぞりながら、うなじにキスを落とした。
暇が身体を震わせ縮こませると先ほどよりも甘い声で修史は囁く。

「…暇」
「んんっ…や、だ…」
「ホントに?」

髪に、つむじに、首に、耳にキスを落としながら修史が尋ねる。

「ねぇ…、ホントにヤダ?」
「……うるさい」
「好きなら、好きって言って欲しい」

頬を擦り寄せるように顔を近づけ、相手の隣に顔を並べると、か細く誘うような声色を紡いだ。

「ね、言って。好きって」

2012.02.20(Mon) | 修暇 | cm(0) | tb(0) |

いろんな角度 いろんな顔
「何かいいことでもあったでござるか?」

いつものように公園でたわいもない話をしていると、Saiに顔を覗きこまれる。

「…どうしてそんな風に?」
「んー。いつもより柔らかい顔してる気がしたから…何も無いなら気にしないで欲しいのである」

自分の顔をペタペタと触って、少し考えてみる。
そういえば、家族にもそんなようなことを言われたな……



――最近の俺は、今までとどこかが違うらしい。
自分では良くわからないが、他人から見ると確実に、しかもいい方向に変わってきたと良くいわれる。



原因は、あいつなんだろう。

実際、俺の日常が変化したのは、側にあいつがいたからと実感している。


外から様々な情報を持ってきて刺激してくれるのもあいつ。
出不精だった俺を散歩に連れ出してくれるのもあいつ。
俺の感情にメリハリをくれるのもあいつ。


今までは、自分のことが嫌いで、自分のテリトリーから出ることが苦手で、そうやって殻に籠っていたことが多かった。

あいつが俺の前に現れてから
笑ったり、怒ったり、悩んだり、ふざけたり
いろんなあいつを見ることで、自分の殻が少しずつ剥がれていくのを身をもって感じていた。

それだけでも新鮮だったのに、少し関係が変わって、もっと違うあいつが見えて来るようになった。


強く粋がった対応をするが、それで周り傷つけていないかと怖かったり。
いつも大きく構えているように見えて、実は小心者だったり。
明るく笑っている印象が強いけど、本当は不安になって怯えていたり。
みんなに頼られて受け皿になることが多いけど、誰かに甘えたい願望が強かったり。


そんなあいつを見て『可愛いな』と思うこともある。
でも、俺は上手く自分の心の中を表現することが出来ないから、それを言わずに溜めておく。
そうやって溜めた想いやあいつの表情を、時々引き出しては思い出す。
心が温かくなるのを感じる。

もし仮に『可愛い』などと言えば、あいつは真っ赤になって否定するだろう。
それもまた可愛いと思うのだが――


「そーいえば、そんな顔してる人。もう一人いたお」


Saiの言葉で現実に引き戻される。
同じような顔?
興味深い話だ。その人も自分と同じように充実した生活を送っているのだろうか。




「――知り合いの先生、なんだけどね」



2012.02.20(Mon) | るいもり | cm(0) | tb(0) |

おちゅうしゃのじかん
運ばれてきたお盆の上には錠剤とコップに入った水が置かれている。

「長太朗…さん……。お薬、です…」
「ありがとぉ、ゲルトちゃん」

コホコホと咳をしながら、長太朗は上体を起こす。

「…無理、しないで、ください。まだ、熱が高い…ですから…」
「大丈夫だよぉ。ゲルトちゃんがこうやって看病してくれてるからぁ」

熱の影響で上気した顔が更にとろけた表情をする。

連日研究室に籠り次回の発表ために徹夜をしていたことと、日頃の不摂生がたたったためであろう。数日前から熱が引かない状態なのである。

長太朗に薬を飲ませながらゲルトが背中を擦る。

「何か…必要なものは、ありますか…?」
「大丈夫、大丈夫。優しいねぇ、ゲルトちゃんはぁ」
「心配、です…」
「うん。ありがと」

ゲルトの頭を撫で髪を一束取ると匂いを嗅ぐ。

「髪…触ります、か…?」

相手の行為を見て、ゲルトが髪を解こうとすると、長太朗はそれを制止した。

「あー、駄目だよぉ。髪縛ってて?ね?」
「です、けど…」
「それとぉ、元気になるまでその格好してて?」
「……はい」

ゲルトは短いスカートをなるべく下に引っ張りながら返事をした。

今さらだが彼は、銀に光る髪を頭の上で縛り、典型的なナースの衣装を身にまとっている。
慣れるにはまず形から…、なのかどうかは分からないが、風邪を引いたその日に長太朗が買ってきた。勿論女物である。

この格好をすることで風邪の治りが早くなると聞かされたゲルトは素直に相手の要求に応じたが、一体これが何の役に立つのかは甚だ疑問ではあった。

ピピッ ピピピピッ

目覚まし時計のアラーム音が部屋に響く。
ゲルトはそれを止めると、おもむろに長太朗の腕を捲り、ねぶり始めた。
そしてはを立てようとした瞬間、長太朗が優しく制止する。
長太朗が微笑みかけると、彼は一瞬ハッとした表情で相手を見、小さく謝ると相手の上にまたがった。

「幹郷、さん…お注射の…時間、です…」

長太朗に微笑みかけると、長太朗もまた微笑み返し期待を孕んだ目を向ける。

「…痛かったら、我慢せずに…言ってください…」
「はぁーいvV」

返事を聞くと大きく口を開けて長太朗の腕に噛みつく。
一瞬顔を歪ませるも、恍惚とした表情で、相手の頬や喉を撫でた。
長太朗の腕にはうっすらと血が流れている。
ゲルトは口を離すとその血を止まるまで丁寧に舐め上げ、相手をそっとベッドに倒した。

「注射の後は…安静に、して…くださいね…」

薬が聞いてきたのか、長太朗はまどろんだ表情で相手を見て静かに頷く。

「ありがとぉ、ゲルトちゃん…、おやすみぃ…」
「…はい、おやすみ、なさい…」

2012.02.20(Mon) | 長ゲル | cm(0) | tb(0) |

 
大地が風呂からあがると、晶はいつものように酒を飲んでいた。
部屋にかかるクラシック、テーブルの上のロウソク明かり。グラスに入っている琥珀色はブランデーだろうか。光にかざし、その反射を楽しむように液体が揺れる。

「先生お酒飲んでる」

タオルで頭を拭きながら隣へ座る。

「だから?」
「俺にもちょっと」
「ちょっと?」
「飲ませてください」

一瞥するとグラスをテーブルに置き、キッチンへと向かう。しばらくして深い赤色をした飲み物が運ばれてきた。

「キミにブランデーは早い」

座ると同時に手渡される。甘い香りが鼻をくすぐった。

「カシスオレンジ・・・?」
「そう。良く覚えてたね」

そう言うとブランデーをくるくるを回し、嗜み始める。それにつられて大地も一口。

大地はこの時間が好きだった。
特別な会話があるわけではない。どちらかと言えばいつも以上に会話が無い。
ただ隣に座ってお互いのグラスに氷がぶつかる音を聞く。それだけなのになぜかとても落ち着く。

ふっと隣に目をやる。
吸血鬼の性質なのか、それとも雰囲気に飲まれているからか、はたまた酒のせいなのか、吸い込まれて目が離せない。
透き通るような肌、長い睫毛、炎の揺らめきに輝く二色の瞳、艶やかな赤毛。
一つ一つが大地を掴んで離してはくれなかった。

「・・・何?」
「あ、いえ、その」
「まだ飲むなら自分で。出してあるから」
「はい」

言いながら晶はキッチンへと足を進めた。
グラスを流しに入れ、戸棚から新しいグラスを出すとワインセラーから赤ワインを取り出し注ぐ。
一口飲むと冷蔵庫からチーズを取り出し、居間へと戻った。チーズの皿を置くと案の定大地の手が伸びる。

「食べて良いって言った?」
「え・・・」
「食べないの?」
「え」
「食べるの?」
「食べ、たいです」
「そう」

手をひっこめ申し訳なさそうな顔をする大地を後目に、晶の口角がふっと上がった。

晶もまたこの時間が好きだった。
酒は緩和剤。雰囲気を、表情を、気持ちを穏やかにし、ゆっくりとした時間が流れる。
心の芯が冷え固まってしまった彼にとって、とても暖かで休まる時。

ふと隣に目をやる。
・・・どうして隣にいるのだろう。
自分が彼にした事と云えば、食事と叱責と暴力くらいのものだ。それは紛れもない事実であるのに、いつも隣にいた。
何故、彼は今ここにいるのだろうか。

「どうかしましたか?」
「・・・蝙蝠は血を吸う生き物だと思ってない?」
「え?違うんですか?」
「確かにそういう種類はいる。でもほとんどは花の蜜を吸ったり虫を食べたりして生きている」
「へぇ・・・」

徐に大地の前髪を手に取ると指に絡めた。

「キミのこれさ、虫みたいだよね」
「え、そうですか・・・」
「そう」
「・・・俺、先生に食べられるんですか?」
「今日は頭の回転が速いね」

晶がすっと近づくと大地は怯えたように体を反らした。

「あ、・・・でも、俺、美味しくない」

深いため息を晶は漏らした。

「キミは・・・」
「食べるならその、二の腕とかその辺なら部活にも影響ないと思うんで、だから」

恐る恐るシャツをまくる。その行為を見るやまた大きく更に深いため息が漏れた。

「あの、せんせ」
「寝る」
「え」
「片付けといて」
「食べる、とか、あれ」
「頭痛いから黙って」
「あ、はい、・・・ごめんなさい。二日酔いとかですか」
「そんな訳ないでしょ。良いから、片付ける」
「・・・はい」

2012.02.20(Mon) | 晶大 | cm(0) | tb(0) |

名前を呼んで、その声で
ボクを離してくれないんだ。
あの時の言葉が、優しく名前を呼ぶあの声が、暖かく包み込んでくれたあの体温が、今も。

『もっと普通に幸せになりたかった』

普通って何だ…、あんなにも幸せだった日々にどんな不満が…。
ボクがいけないのか。キミをボクの中に閉じ込めてしまった事が。
確かにボクとキミは何もかもが違う。でもそれはお互い承知の上で、それでも一緒にいようと、そう誓いあったんじゃないのか?
なのに…、そうやって…。

ヒトはあまりにも残酷だ。
楽しかったと言いながら足りないものを呟き、幸せだと言いながら不満を述べ、愛していると言いながら突き落とす。

何十年も何百年も。ボクを縛る。足枷を嵌める。心を掴む。
ここには一人しかいないのに。一人でいるしかないのに。

鳥籠は鳥を失っては意味が無い。
ぽっかり空いたその中には、羽や木の実の殻だけが散らばっている。
自身で片付けも出来ない。
帰ってくるはずもない鳥の巣を守り続けるしかない。

守って、守り続けて、それに縋って生きていくしかない。

それがキミの望んだ事ならば、今頃、天から愚かなボクの姿を嬉しそうに眺めているんだろう。
ボクがキミの人生を独占してしまったように、キミから離れられないでいるよ。



鳥籠に子犬が住み始めたんだ。
荒れたままのあの籠の中に。自分で戸を開けて。

羽は散らばっている、食べこぼしも木の実の殻もある、鳥の匂いはする。
居心地のいいものではないと思うんだ。でも、意地でもそこを自分の住処にしたいらしい。

全く、ああやって熱心に籠を舐めて掃除しようとしているところも、馬鹿らしくて滑稽でね。
しかし解っていながら追い出すことが出来ないボクも大概馬鹿なのかもしれないな。

そういう訳でそろそろキミの籠じゃ無くなりそうなんだ。犬の匂いが染み着いて来てしまった。

――さあ、そろそろ終わりにしようか。

あの頃のようにキミの名前を呼んで、空へと放つ。


「ありがとう
 そしていつかまた」

2012.02.20(Mon) | 晶大 | cm(0) | tb(0) |

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